続キンゴローの部屋
お気楽鉄道ファンのブログです。
最後?の東海道ブルトレ乗車体験-1
12年前のとある秋の日に広島に行く依頼を受けた。
神奈川県から広島に行くとしたら一般的には新幹線か飛行機だが、時は2008年の秋、せっかくなのでもう1つの選択肢で行くことにした。
そんなわけで、前日の夕方に雨降る横浜駅で青い列車の到着を待ち構えていた。雨天の休日にも拘わらず横浜駅ホームは結構な人数が列車を待っていた。しかしながら、おそらくこの列車に乗る人はこの中のわずかに違いない。そして、横浜駅に入線をしてきたのがこの列車。
この時点では廃止の正式な発表はないものの翌年のダイヤ改正までだろうとの見方が専らであったため、予定を早めて前夜出発することとした。但し、この時は自宅の引っ越し準備のさなかであったため、東京乗車は断念せざるを得なかった。
指定された寝台に落ち着き、当時の最寄り駅を雨に濡れる車窓から眺めつつおよそ13時間の旅がスタートした。さすがに早朝の広島到着では早すぎるため、新山口まで乗車して折り返すプランとした。本当は下関ぐらいまで乗りたい気持であるが、時間的にあきらめざるを得なかった。
そもそも、支給される交通費は横浜~広島分なので、はみ出す分の自己負担とのせめぎ合いといったところか。
EF66 46は雨をものともせず力走を披露する。車内を辿り1号車の貫通扉越しに活躍の様子とモータの唸りを堪能して来た。掛川駅を通過するときには、停車する下り「こだま」の様子がみえた、浜松駅に滑り込むとその「こだま」と思われる編成に再会した。おそらく、「こだま」は掛川を発車後にこの「富士・はやぶさ」を追い抜かしたものの浜松で「のぞみ」待避中に追いつかれたような感じであろう。乗った車両が前方だったために、ホイッスルやモーターの唸りが聞こえてきてEF66の俊足ぶりを堪能しているうちに名古屋到着。ここでは雨天にもかかわらず何名かの撮影者の姿を目にした。
客車特急ながらハイパワーな機関車ゆえのハイテンポな走行音は高揚感があり、何度でも体験したい乗り味であった。今となっては再体験ができないことが大いに残念である。
岐阜を発車し列車は関ケ原の越えに差し掛かったようだ。できれば寝ずに孤高の東海道ブルトレの活躍を堪能したいところであるが、翌日の行動に差し支えるためそろそろ就寝することとした。
(つづく)